分子シミュレーション関連:vmd

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分子シミュレーション関連:vmd [2019/03/08 14:29] – [ppt で再生できる動画作成方法] mumeiyamibito分子シミュレーション関連:vmd [2023/09/27 13:42] (現在) – [分子の表示の変更] mumeiyamibito
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 ===== 操作 ===== ===== 操作 =====
 ==== ショートカットキー ==== ==== ショートカットキー ====
 +
 ^  キー  ^  挙動  ^  備考  ^ ^  キー  ^  挙動  ^  備考  ^
 |r|回転(rotate)モードに変更|マウスのドラッグで分子を3次元的に回転させる| |r|回転(rotate)モードに変更|マウスのドラッグで分子を3次元的に回転させる|
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 |c|回転の中央に設定する|原子をクリックすると、回転モード時にその原子がある座標を中心に回転させる (原子が移動しても原子を追跡するわけではない)| |c|回転の中央に設定する|原子をクリックすると、回転モード時にその原子がある座標を中心に回転させる (原子が移動しても原子を追跡するわけではない)|
 |p|pickモードに変更|コンソール画面にクリックした原子の情報を表示する| |p|pickモードに変更|コンソール画面にクリックした原子の情報を表示する|
 +|. or >|アニメーションの再生||
 +|, or <|アニメーションの逆再生||
 +|/ or ?|アニメーションの停止||
  
-  * 起動時は、回転モード + pick モードになっている +  * 起動時は、回転モードになっている 
-  * 参考サイト: [[http://www.ks.uiuc.edu/Research/vmd/vmd-1.7.1/ug/node30.html]]+  * 参考サイト: [[https://www.ks.uiuc.edu/Research/vmd/vmd-1.7.1/ug/node30.html | Hot Keys]]
  
 ==== 内部コマンド ==== ==== 内部コマンド ====
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     * [[https://rchang90.wordpress.com/2011/09/23/how-to-draw-a-simulation-box-in-vmd/]]     * [[https://rchang90.wordpress.com/2011/09/23/how-to-draw-a-simulation-box-in-vmd/]]
  
 +==== 分子の表示の変更 ====
 +  - ''Graphics'' -> ''Representaions...'' で ''Graphic Representations'' ウィンドウを起動する。
 +  - 新たに描画対象を指定する場合は、''Create Rep'' ボタンをクリックする (編集する場合はスキップする)。
 +  - ''Style Color Selection'' と書かれた項目から編集対象のスタイルを選択する。
 +  - ''Selected Atoms'' の下の欄に、対象とする原子・分子を指定する (下のタブの ''Selections'' 内の項目をダブルクリックしていくだけでも何とかなるかも)。
 +    * よく使う selection:
 +      * 一般名:
 +        * ''protein'': 一般的なアミノ酸
 +        * ''nucleic'': 一般的な核酸
 +        * ''water'': 水分子
 +      * 特定の条件を指定:
 +        * ''name X'': ''X'' という原子名 (元素名でない) を持つ原子
 +        * ''resname X'': ''X'' という残基名をもつ残基
 +        * ''resid N'': ''N'' 番目の残基 (1 から始まる番号)
 +        * ''name "H.*"'': 水素原子 (ダブルクォーテーションで囲まれた内部は正規表現での指定が可能)
 +      * 論理演算子
 +        * ''and'': 条件を AND でつなぐ
 +        * ''or'': 条件を OR  でつなぐ
 +        * ''not'': 条件を否定する
 +      * 距離指定
 +        * ''within D of TARGET'': ''TARGET'' に指定した条件の原子を指定し、そこから ''D'' Å 以内に存在する原子
 +        * ''same fragment as (within D of TARGET)'': ''TARGET'' に指定した条件の原子を指定し、そこから ''D'' Å 以内に存在する残基
 +    * 参考サイト
 +      * [[https://www.ks.uiuc.edu/Research/vmd/current/ug/node89.html | Selection Methods]]
 +      * [[https://www.ks.uiuc.edu/Research/vmd/current/ug/node97.html | Other selections]]
 +      * [[https://biochem-fan.hatenablog.com/entry/20140317/1395076228 | PyMOL と VMD の selection syntax まとめ - biochem_fanのブログ]]
 +  - 条件を入力したら、Enter を押して確定する。
 +  - ''Draw style'' タブで、''Coloring Method'' と ''Drawing Method''、''Material'' を指定する。
 +    * よく使うスタイル (''Coloring Method'')
 +      * ''Name'': 原子ごとに定義された色
 +      * ''ColorID'': 任意の色
 +    * よく使うスタイル (''Drawing Method'')
 +      * ''Lines'': ワイヤー表示
 +      * ''Hbonds'': 水素結合表示
 +      * ''VDW'': ファンデルワールス半径を考慮した球のつながり表示
 +      * ''CPK'': Ball&Stick モデル
 +      * ''Licorice'': スティック表示
 +      * ''NewRibbons'': タンパク質やアミノ酸の骨格を滑らかなチューブで表示したり、塩基に面を張ったりする表示 (厚め)
 +      * ''Ribbons'': ''NewRibbons'' に似ているが、ペラペラのチューブで表示
 +      * ''Surf'': ファンデルワールス半径を考慮した滑らかな面で表示 (ただし、面の演算に時間がかかるのでトラジェクトリ (動画) 表示をすると高コスト)
 +      * ''QuickSurf'': ''Surf'' の簡易版
 +      * 
 ===== Tips ===== ===== Tips =====
 ==== 周期境界ボックスを表示する ==== ==== 周期境界ボックスを表示する ====
行 54: 行 100:
  
   * ちなみに r が回転モード、t が平行移動モード\\ [[http://www.life.umd.edu/biology/sukharevlab/download/vmd_scripts/vmd_enhanced_startup_file.htm]]   * ちなみに r が回転モード、t が平行移動モード\\ [[http://www.life.umd.edu/biology/sukharevlab/download/vmd_scripts/vmd_enhanced_startup_file.htm]]
 +
 +==== 一時的に特定条件の原子を消す (スタイルを無効化する) ====
 +  * ''Graphics'' -> ''Graphical Representations'' で表示した ''Graphical Representations'' で ''Style Color Selection'' 内のスタイルをダブルクリックして赤字にする。
  
 ==== カウンターイオンの表示 (representations) 方法 ==== ==== カウンターイオンの表示 (representations) 方法 ====
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   * 距離をプロットする場合は、Graphics -> Labels... から、Bonds を選択して、Graph タブの Graph... をクリックする   * 距離をプロットする場合は、Graphics -> Labels... から、Bonds を選択して、Graph タブの Graph... をクリックする
  
 +==== 断面図の作成 ====
 +  - 座標及びトポロジーファイルを読み込んで分子を表示する。
 +  - ''Extensions'' -> ''Visualization'' ''Clipping Plane Tool'' を選択する。
 +  - 断面の切断面を側面から見る位置に分子を回転させる。
 +  - その位置で、起動した ''Clip Tool'' の ''Settings'' 内の 2 項目 (''Normal follows view'' と ''Origin follows center'' をチェックを入れて、再度チェックを外す)
 +    - ''Normal follow view'': 現在のビューに合わせて座標を設定する。
 +    - ''Origin follows center'': 現在のビューに合わせて、座標中心を設定する。
 +  - ''Edit Clipping Planes'' 内の数字 (断面番号) のいずれかをクリックする。
 +  - ''Active'' をクリックする。
 +  - ''Distance'' を設定する。
 +    * どれくらい切断させたかを確認するには、分子のビューを上下左右のいずれか 90 度回転させると良い。
 +  - 断面で囲むために、別の切断番号をクリックする。
 +  - ''Active'' をクリックする。
 +  - ''Normal'' の項目にある ''flip'' ボタンをクリックする。
 +  - ''Distance'' を設定する (スクロールバーの進める方向は 7 と同じ方向)。
 +
 +  * 断面状態は、''File'' -> ''Visualization State...'' で保存可能だが、再度 ''Clip Tool'' を起動するとリセットされる。
 ==== パワーポイントで再生できる動画作成方法 ==== ==== パワーポイントで再生できる動画作成方法 ====
   - 分子パラメータやトラジェクトリを読み込んだ状態にする   - 分子パラメータやトラジェクトリを読み込んだ状態にする
行 111: 行 177:
   * ''-c:a オーディオコーデック''   * ''-c:a オーディオコーデック''
   * ''-vf crop=W:H:X:Y'' (不要な部分をカット (トリミング) するために使う; W: width, H: height)   * ''-vf crop=W:H:X:Y'' (不要な部分をカット (トリミング) するために使う; W: width, H: height)
 +
 +==== 背景色を透明にした画像を作成する ====
 +  - POV-Ray をインストールする。<code bash>$ sudo apt install povray</code>
 +  - VMD で画像にしたい状態にする。
 +  - ''File'' → ''Render..'' を選択する。
 +  - File Render Controls ウィンドウ内の設定を以下の値にする。
 +    * ''Render the current scene using'': ''POV-Ray 3.6''
 +    * ''Filename'': 画像パス
 +    * ''Render Command'': ''/usr/bin/povray +W%w +H%h -I%s -O%s.png +D +X +A +FN +UA''
 +  - ''Start Rendering'' ボタンをクリックする。
 +  * 参考サイト: [[https://www.youtube.com/watch?v=KF7u8vlvzJI | How to create figures for publication using VMD /transparent background/ - YouTube]]
  
 ==== インストールしても動かせない ==== ==== インストールしても動かせない ====
  • 分子シミュレーション関連/vmd.1552022985.txt.gz
  • 最終更新: 2019/03/08 14:29
  • by mumeiyamibito