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AMBER と Gromacs ファイルの変換
概要
- AMBER で入力ファイルを作成して、Gromacs で計算、最後に AMBER で解析する方法
- Gromacs は無料で、AMBER の入力ファイル作成ツール AmberTools も無料なため、金銭的なコストは 0。
- AMBER で GPU 計算をしようとすると、AMBER のバージョン、CUDA のバージョン、ハードウェアをうまく組み合わせる必要がある。場合によっては、AMBER の別バージョンを購入する必要がある。
手順
- 例として、DNA の方法を紹介する
- 作業ディレクトリは
~/test
- 事前に AmberTools (AmberTools16; /opt/amber16) および Gromacs (5.1.2) はセットアップ済みとする
入力ファイルの作成と変換 (AMBER→Gromacs)
- 構造ファイルの入手
- RCSB PDB - 1BNA: STRUCTURE OF A B-DNA DODECAMER. CONFORMATION AND DYNAMICS Structure Summary Page から PDB ファイルを入手する (1bna.pdb)
- 変換用ツール ( acpype.py) の入手
$ mkdir ~/bin $ cd ~/bin $ svn checkout http://ccpn.svn.sourceforge.net/svnroot/ccpn/branches/stable/ccpn/python/acpype acpype
- パスを通しておくと以後便利になる (今回はパスを通さない方法で行う)
- 入力ファイルの作成
$ tleap -f /opt/amber16/dat/leap/cmd/oldff/leaprc.ff14SB -f /opt/amber16/dat/leap/cmd/leaprc.gaff -f /opt/amber16/dat/leap/cmd/leaprc.water.tip3p > complex = loadpdb 1bna.pdb > check complex > addions2 complex K+ 0 > solvatebox complex TIP3PBOX 20 > saveamberparm complex 1bna.prmtop 1bna.inpcrd
tleap
の後の複数の-f
は力場ファイルの指定である (tleap 実行後に source コマンドで指定するのと同じ意味)complex
は任意の変数名check complex
で構造の異常を確認 (この場合だと「電荷が 0 でない」「原子同士が近すぎる」というワーニングが出る)addions2
を使って、K+ (カリウムイオン) で電荷を 0 にするsolvatebox
は、溶質から溶質を覆うボックスまでの距離が 20 Å になるように、TIP3P の水分子で溶質を覆う- 最終的に
1bna.prmtop
(トポロジーファイル) と1bna.inpcrd
(座標ファイル) を出力する
- ファイルの変換
$ ~/bin/acpype/acpype.py -p 1bna.prmtop -x 1bna.inpcrd
- 新たに
1bna_GMX.top
(Gromacs 用トポロジーファイル),1bna_GMX.gro
(Gromacs 用座標ファイル),em.mdp
(最適化用計算ファイル),md.mdp
(MD 用計算ファイル) が出力される